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ImmunoGen社のmirvetuximab soravtansine-gynxに関する日本での独占的開発・販売に関するライセンス権取得について

2023年8月29日

- 当社は、葉酸受容体α(FRα)高発現の卵巣がんを対象とした日本での臨床開発を推進する予定
- Mirvetuximab soravtansine-gynxは、卵巣がん領域における初の抗体薬物複合体


当社は、このたび、ImmunoGen, Inc.(以下、ImmunoGen社)と、日本を対象としたmirvetuximab soravtansine-gynx(以下、MIRV)の独占的開発・販売に関するライセンス権を取得しましたのでお知らせします。
MIRV は、抗葉酸受容体α(以下、FRα)抗体に微小管阻害剤を結合させた抗体薬物複合体(以下、ADC)という特徴を有する静脈注射剤です。MIRVは卵巣がん治療のために開発された初のADCであり、当社は今後、FRα高発現の卵巣がんに対する新たな治療選択肢として、日本での製造販売承認申請に向けて開発を進めてまいります。


MIRVは、1~3種類の全身治療レジメンの前治療歴を有するFRα高発現のプラチナ製剤抵抗性卵巣がん、卵管がん、原発性腹膜がんの成人患者の治療薬として米国食品医薬品局(以下、FDA)で条件付き承認を受けています。MIRVは、FRα高発現のプラチナ製剤抵抗性の再発・難治性卵巣がんを対象とした海外第3相臨床試験(MIRASOL試験)において、既存の化学療法と比較して全生存率(OS: Overall Survival)の有意な延長を示した初めての薬剤です。


当社のグローバルオンコロジービジネスユニット・日本オンコロジー事業部長である内田智は、「今回のImmunoGen社との契約によって、当社のがん領域におけるポートフォリオを拡大することができ、がんの治癒を目指すという我々の願いの実現に向けて一歩前進することができることを嬉しく思います。卵巣がんは、患者さんの多くが進行した状態で診断を受け、女性生殖器腫瘍の中では最も致死的な腫瘍といわれ日本の女性では9番目に多いがん死の原因(注)となっています。このような高いアンメットニーズが存在する卵巣がん領域において、新たな治療選択肢としてImmunoGen社が開発した革新的な治療薬MIRVを一日でも早くお届けできることを心から願っています」と述べています。


当社は、オンコロジー領域への高いコミットメントを示し、限られた治療選択肢しか利用できないがん患者さんのために、新薬の開発に取り組んでいます。本ライセンス契約は、世界中のがんと共に生きる患者さんの生活を改善するという当社とImmunoGen社との共通の目標の実現に資するものです。
本契約の条件に従い、当社は日本での、すべての適応症の開発および商業化のための独占的ライセンス権を取得します。契約条件に従い、当社はImmunoGen社に契約一時金と初期マイルストン合計で50億円を支払います。なお、初期マイルストンは、MIRVのプラチナ製剤抵抗性の卵巣がんにおける効能でのFDA承認時に支払われます。加えて当社は開発の進捗や販売の達成に応じたマイルストン及び売上に応じたロイヤルティを支払う可能性があります。

(注) がん情報サービス:がんの統計2023 https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/statistics/2023_jp.html


<卵巣がんについて>

卵巣がんは、卵巣の表面や卵巣の中にある様々な細胞から発生する悪性の腫瘍です。本邦において毎年約13,000人が報告され、そのうち約 40~50%の症例がIII・IV期の進行癌症例です。早期診断が難しい癌の一つであり、実際、卵巣がん患者のうち75%は発見時点で進行癌と診断されています。


<Mirvetuximab soravtansine-gynxについて>

Mirvetuximab soravtansine-gynxは、葉酸受容体αに結合する抗体、切断可能なリンカー、およびがん細胞を標的とし設計された強力なチューブリン阻害剤であるメイタンシノイドペイロードDM4から構成されるファースト・イン・クラスの抗体薬物複合体(ADC)です。2022年11月、米国食品医薬品局(FDA)は、MIRVを、主要なSORAYA試験の奏効率および奏効期間のデータに基づき、1~3種類の全身治療レジメンの前治療歴のあるFRα陽性のプラチナ抵抗上皮性卵巣がん、卵管がんまたは原発性腹膜がんの成人患者さんに対する治療薬として早期承認しました。また、2023年6月には、FRα陽性のプラチナ製剤抵抗性卵巣がん(PROC)患者さんを対象とし、MIRVの安全性と有効性を既存の化学療法と比較した臨床第3相試験であるMIRASOL試験(GOG 3045/ENGOT OV-55)の結果が米国臨床腫瘍学会年次総会で発表され、MIRVがプラチナ製剤抵抗性の疾患において全生存期間を延長させる初の新しい治療法として示されました。



英語版プレスリリースはこちら
Please find the English press release from here



<武田薬品について>

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK) は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。
詳細についてはhttps://www.takeda.com/jp/をご覧ください。


<重要な注意事項>

本注意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリースに関して武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類並びに一切の口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法の登録又は登録免除の要件に基づいて行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性があります。
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以上