- 統合がん臨床データベースの臨床試験・治験への活用をターゲットとしての初の産学共同での検討
- 産学共同での取り組みを通じて、がん患者さんが必要とする検査・診断・治療や医薬品へのアクセスの向上ならびに将来の医学研究や医薬品開発推進の利活用を目指す
公益財団法人がん研究会(以下、がん研究会)、株式会社先端技術共創機構(Advanced Technology Acceleration Corporation:以下、ATAC)および武田薬品工業株式会社(以下、武田薬品)は、このたび、がん研究会が保有する統合がん臨床データベース(以下、本データベース)の活用推進に向けた検討を開始しましたのでお知らせします。
実臨床の診療記録に基づいて構築された本データベースの有効活用に関して、臨床試験や治験を直接的なターゲットとして産学が連携して取り組んだ実績は過去になく、今回のがん研究会、ATACおよび武田薬品の三者による共同検討の開始が初めての取り組みとなります。
がん研究会は、電子カルテや診療情報システムから自動取り込みされた診療データ、診療科別の院内データベースなどのデータを一元管理できる仕組みとして、2017年から本データベースの独自開発を開始しました。本データベースには、現在、140,000件を超えるがん患者さんの診療データが登録されており、臨床試験・治験を直接的なターゲットとして、産学連携によるデータ活用の検討が期待されていました。また、臨床試験・治験の効率化・迅速化を含めて、様々な領域における課題を解決するために、本データベースの利活用を可能とする機能やアプリを院内で開発しており、幅広い産学連携を募っております。
がん研究会、ATACおよび武田薬品は、今後、産学の垣根を超えて、本データベースの利活用の検討を進めます。特に、臨床現場での治療方針の決定や集学的治療の効率化および試験デザインの複雑化と対象患者の細分化が進むなかでの臨床試験・治験の効率化と迅速化を図り、医薬品開発の推進ならびにビッグデータの解析を通じた新たな価値提供の可能性を追求してまいります。これにより、がん患者さんが必要とする検査・診断・治療や医薬品へのアクセスの向上ならびに将来の医学研究や医薬品開発の推進を目指します。
公益財団法人がん研究会は、「がん克服をもって人類の福祉に貢献すること」を基本理念として掲げ、がんの診断/治療/予防に貢献するとともに、がんの本体解明研究を追求することで、世界最高レベルのがんの研究と診療を行う施設として認知されることを目指しています。その実現に向けて、臨床への応用を踏まえた基礎・臨床の双方の分野でコミュニケーションを図る研究、いわゆる「トランスレーショナルリサーチ」を進め、患者が満足・納得いく医療の提供に取り組んでいます。また有明病院では、新薬開発のための臨床試験(治験)や、新たな治療法・診断法の開発につながる臨床研究を積極的に実施しています。2019年に、従来からの臨床研究・開発センターに加え、国内をリードする次世代がん医療の臨床開発拠点を目指し、早期臨床開発に特化した先端医療開発センターを設立しました。さらに2022年春には、これらを統合する「先進がん治療開発センター」を立ち上げ、基礎開発から保険承認まで途切れなく治験を推進し、院内での医師主導臨床研究を進め、先進的ながん医療を患者さんに提供できることを目指しています。
詳細については、
https://www.jfcr.or.jp/index.htmlをご覧ください。
先端技術共創機構(ATAC)は、経営共創基盤(IGPI)グループのこれまでの企業のR&Dに関する支援、様々な大学・研究機関との取組み、スタートアップ投資や経営支援などの先端技術の社会実装・事業化の活動を統合し、さらなる強化を目指して、先端技術の事業化・経営を行う専門組織として、設立されました。ATACは日本の素晴らしい技術の数々を事業化し、その価値が技術に再投資され、新たな技術がさらに価値を生むスパイラルを創出していくことを目指しています。
詳細については、
https://igpi-atac.co.jp/をご覧ください。
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。
詳細については、
https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。