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「ADAMTS-13(遺伝子組換え)」の製造販売承認申請について

2023年8月17日

- 先天性血栓性血小板減少性紫斑病を予定効能又は効果として厚生労働省に対し製造販売承認申請
- ADAMTS-13(遺伝子組換え) は血栓性血小板減少性紫斑病治療のための初の遺伝子組換え製剤


当社は、8月16日、ADAMTS-13(遺伝子組換え)(開発コード:TAK-755)について、先天性血栓性血小板減少性紫斑病(congenital thrombotic thrombocytopenic purpura以下「cTTP」)を予定される効能又は効果として厚生労働省に対し製造販売承認申請を行いましたのでお知らせします。


血栓性血小板減少性紫斑病(以下「TTP」)は、フォン・ヴィレブランド因子(VWF)による血小板の接着および凝集に関連した、致死的かつまれな血栓性微小血管症の一種であり、難病に指定されています。TTPは、先天性TTP(cTTP)と後天性(免疫性)TTP、(Immune-mediated Thrombotic Thrombocytopenic Purpura 以下「iTTP」)に大別されます。ADAMTS-13(遺伝子組換え) は、TTPを対象とした初めての遺伝子組換えADAMTS13製剤であり、cTTP治療薬として製造販売承認申請を行いました。またiTTP治療薬としても全世界で開発を進めています。


このたびの製造販売承認申請は、主に cTTPの患者さん(日本人5名を含む)を対象としたグローバル臨床第3相試験である281102試験(NCT03393975)および臨床第3b相継続試験であるTAK-755-3002試験(NCT04683003)の中間解析結果に基づくものです。これらの試験において、ADAMTS-13(遺伝子組換え)はcTTPの治療薬として有効性および安全性が評価されました。


<先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)について>

cTTPは、フォン・ヴィレブランド因子(VWF)切断プロテイナーゼであるADAMTS13の欠乏により生じる希少な慢性かつ消耗性の血液凝固障害である血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)のサブタイプです1、2。ADAMTS13の欠乏により血液中に超巨大VWFマルチマーが蓄積します。 超巨大VWFマルチマーが蓄積すると、コントロール不能な血小板の凝集および粘着が生じます3。これは体内の微小血管に異常な凝固を生じさせる可能性があり、溶血性貧血と血小板低値(血小板減少症)などの症状を呈します。国内のcTTP患者数は110~160人と推定されていますが4、奈良県立医科大学輸血部が集積している血栓性微小血管症レジストリには2021年時点でADAMTS13活性が10%未満でTTPと診断される症例が725例登録されており、うち69例がcTTP です5
cTTPは急性症状と慢性症状の両方を有し(脳卒中と心血管疾患を含む)、大きな疾病負荷と関連します。ADAMTS13の欠乏状態に起因する進行中の広範な臓器障害などの深刻な併存疾患のため、一般集団と比較した患者さんのQOLは大幅に低下し生存期間は短縮します6、7、8。cTTPの治療薬として承認された薬剤はなく、急性症状の治療又は予防には新鮮凍結血漿が汎用されています9


<ADAMTS-13(遺伝子組換え)(TAK-755)について>

ADAMTS-13(遺伝子組換え)は、開発中の初めてかつ唯一の遺伝子組換えADAMTS13製剤です。欠損または欠乏したADAMTS13酵素を補充することによって、標準治療を改善し、TTP患者さんのアンメットメディカルニーズに応える新しい治療選択肢として期待されています9
なお、ADAMTS-13(遺伝子組換え)は米国食品医薬品局(FDA)より先天性、後天性、特発性および続発性を含むTTPの治療(ODA-08-2622)と予防(ODA-08-2652)に対して、欧州医薬品庁(EMA)よりTTPの治療(EU/3/08/588)に対して、また厚生労働省よりTTPに対して希少疾病用医薬品指定(ODD)を受けています。遺伝性(先天性)ADAMTS13欠乏症の患者さんにおけるTTPの急性症状の治療、予防および定期予防に対してFDAよりADAMTS-13(遺伝子組換え)のファスト・トラック指定(FTD)も受けています。


<武田薬品について>

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK) は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。
詳細についてはhttps://www.takeda.com/jp/をご覧ください。


<重要な注意事項>

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<将来に関する見通し情報>

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、世界的な医療制度改革を含む関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機が、武田薬品が事業を行う国の政府を含む武田薬品とその顧客及び供給業者又は武田薬品の事業の他の側面に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとっての非中核資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、当社による省エネルギーへの取り組み及び将来の再生可能エネルギー又は低炭素エネルギー技術の発展による当社の温室効果ガス排出量の削減の程度、武田薬品のウェブサイト( https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings-and-security-reports/ )又はwww.sec.govにおいて閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。


<医療情報>

本ニュースリリースには、製品に関する情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではなく、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。


以上

  1. Alwan F, et al., Blood. 2019;133:1644–51
  2. Kremer Hovinga JA, et al., Nat Rev Dis Primers. 2017;3:17020
  3. Chiasakul T and Cuker A. Am Soc Hematol. 2018;2018(1):530–538
  4. Kokame K, Kokubo Y, Miyata T. Polymorphisms and mutations of ADAMTS13 in the Japanese population and estimation of the number of patients with Upshaw–Schulman syndrome. J Thromb Haemost. 2011;9(8):1654-6.
  5. 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業 血液凝固異常症等に関する研究 令和3年度 総括・分担研究報告書(2023年7月20日参照)
    https://ketsuekigyoko.org/wp-content/uploads/2022/06/b2af8a3aa9cb503f1ac6ab42b966b509.pdf
  6. Sukumar S, et al. J Clin Med 2021;10:536
  7. Joly BS et al., Blood. 2017;129(21):2836–2846
  8. Zheng XL et al., J Thromb Haemost. 2020;18:2503-12
  9. Scully M et al. Blood. 2017;130:2055-63