当社は、このたび、pUL97キナーゼ阻害剤 「maribavir(TAK-620)」が、臓器移植(造血幹細胞移植も含む)におけるサイトメガロウイルス(CMV)感染症の治療を予定とする効能・効果として厚生労働大臣より希少疾病用医薬品の指定を取得いたしましたのでお知らせいたします。
CMV感染症は、移植後の患者さんに最もよくみられる感染症の一つで、移植後に感染または再活性化すると、移植臓器の喪失や移植不全などの深刻な状態になる可能性がある疾患です。maribavirはpUL97キナーゼとその天然基質を標的として阻害する経口投与可能な最初で唯一の抗CMV化合物で1-4、日本国内においてサイトメガロウイルス感染/感染症を対象とした第3相臨床試験が進行中です。
CMVはヒトに多く感染するベータヘルペスウイルスであり、さまざまな成人集団の40~100%で感染歴を認める血清学的エビデンスがあります5。CMVは通常、体内に潜伏し、無症候性ですが、免疫抑制期間中に再活性化することがあります。免疫機能が低下した人では、重篤な疾患を発現することがあり、こうした人には造血幹細胞移植(HSCT)や固形臓器移植(SOT)を始めとする、さまざまな種類の移植に関連した免疫抑制剤の投与を受けている患者さんも含まれます6,7。世界における1年あたり推定20万件の成人移植のうち、CMVは移植後の患者さんが経験する最もよくみられるウイルス感染のひとつであり、推定発現率はSOTの患者さんで16~56%、HSCTの患者さんで30~70%です6-14。
移植後の患者さんでCMVが再活性化すると、移植臓器の喪失などの深刻な結果に至る可能性があり、極端な場合では死に至ることもあります15,16。移植後のCMV感染に対する既存の治療法は、用量調節を必要とすることや、ウイルスの複製を十分に抑制できない可能性があります15–17。さらに、既存の治療法では、投与のために入院を要することや入院が長期化することがあります15,16。
maribavirはpUL97キナーゼとその天然基質を標的として阻害する経口投与可能な最初で唯一の抗CMV化合物です。1-4。
maribavirは、移植後の成人患者さんと小児患者さん(12歳以上で体重が35㎏以上)における既存の抗ウイルス療法であるガンシクロビル、バルガンシクロビル、cidofovir(国内未承認)またはホスカルネットに対して遺伝子型抵抗性(無しも含む)を示す難治性のCMV感染/感染症治療薬として米国において製品名「LIVTENCITYTM」として承認されており、欧州委員会からは、細胞性免疫障害を有する患者さんのCMV感染症の治療薬として希少疾病用医薬品指定を受けています。
次のいずれの要件にも該当するものについて、医薬品医療機器法第77条の2第1項に基づき薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が指定するものです。
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品は、「すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために」という約束を胸に、革新的な医薬品を創出し続ける未来を目指します。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤とワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。
本リリースに記載されている医薬品、医療機器の情報は、武田薬品の経営情報の開示を目的とするものであり、それぞれが開発中のものを含むいかなる医薬品、医療機器の宣伝、広告を目的とするものではありません。
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以上