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「apadamtase alfa /cinaxadamtase alfa(TAK-755)」の希少疾病用医薬品の指定について

2022年12月19日
-血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)を予定される効能・効果として厚生労働大臣より希少疾病用医薬品の指定を取得

当社は、このたび、「apadamtase alfa /cinaxadamtase alfa(TAK-755)」が、血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura:TTP)を予定される効能・効果として厚生労働大臣より希少疾病用医薬品の指定を取得いたしましたのでお知らせします。

TTPは、フォンヴィレブランド因子(VWF)による血小板の接着および凝集に関連した、致死的かつまれな血栓性微小血管症の一種であり、難病に指定されています。apadamtase alfa /cinaxadamtase alfa(TAK-755) は、TTPを標的とした初めての遺伝子組換えADAMTS13製剤であり、先天性TTP(cTTP)および後天性(免疫性)TTP(iTTP)の治療薬としてグローバルで開発中です。

<血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)について>

TTPは先天性又は後天性(免疫性)のADAMTS13活性欠乏により、非常に大きなVWF重合体の蓄積を引き起こす疾患で日本では難病に指定されています(平成27年1月1日施行指定難病64)。VWF重合体が、血小板に結合して凝集を誘導し、微小血栓を形成することで、臨床症状として、再発性血小板減少症や微小血管障害性溶血性貧血、軽度の神経学的症状から重篤な神経学的症候を伴う脳・心血管障害および腎障害等の虚血性臓器障害まで多様な症状を呈します。血小板減少症はときに重症化し、皮膚出血(紫斑病)を伴い、うつ病、認知機能障害および高血圧などの長期合併症をもたらすなど生命予後に大きく影響を及ぼします。奈良県立医科大学輸血部が集積している血栓性微小血管症レジストリには現在ADAMTS13活性が10%未満でTTPと診断される症例が725例登録されており、うち69例がcTTP 、656例がiTTPです。1

<apadamtase alfa /cinaxadamtase alfa (TAK-755)について>

apadamtase alfa /cinaxadamtase alfa(TAK-755)は、先天性TTP(cTTP)および後天性(免疫性)TTP(iTTP)の治療薬としてグローバルで開発中の初めての遺伝子組換えADAMTS13製剤です。cTTPの治療薬として承認された薬剤はなく、急性症状の治療又は予防には新鮮凍結血漿が汎用されており、iTTPの急性期治療としては、血漿交換療法が推奨されていますが、ともに治療に伴う合併症が課題234なっており、TAK-755 により合併症の軽減が期待されます。cTTPについては、日本において国際共同第3相臨床試験を実施中です。またiTTPについては海外第2相臨床試験を実施中です。なお、TAK-755は米国において2008年7月に「先天性、後天性、特発性および続発性を含む血栓性血小板減少性紫斑病の治療および予防」に対して、欧州においては2008年12月に「血栓性血小板減少性紫斑病の治療」に対して希少疾病用医薬品の指定を受けています。

英語版はこちら

Please find the English press release from here,
Apadamtase alfa /cinaxadamtase alfa (TAK-755) receives Orphan Drug Designation

 

<希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)について>

次のいずれの要件にも該当するものについて、医薬品医療機器等法第77条の2第1項に基づき薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて厚生労働大臣が指定するものです。

  • 当該医薬品の用途に係る対象患者数が本邦において5万人未満であること。ただし、その用途が指定難病の場合は、難病法第5条第1項 に規定する人数(人口のおおむね千分の一程度)まで対象者数の範囲とする。
  • 重篤な疾病を対象とするとともに、代替する適切な医薬品もしくは治療法がないこと、または既存の医薬品と比較して著しく高い有効性もしくは安全性が期待される等、特に医療上の必要性が高いものであるとして、当該医薬品の製造販売承認が与えられたならば、その用途に関し特に優れた使用価値を有すると見込まれること
  • 対象疾病に対して当該医薬品を使用する理論的根拠があるとともに、その開発に係る計画が妥当であると認められること

 

<武田薬品について>

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤とワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(治療手段)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国と地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください

 

<注意事項>

本リリースに記載されている医薬品、医療機器の情報は、武田薬品の経営情報の開示を目的とするものであり、それぞれが開発中のものを含むいかなる医薬品、医療機器の宣伝、広告を目的とするものではありません。

 

1 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業 血液凝固異常症等に関する研究 令和3年度 総括・分担研究報告書 (2022年11月24日参照) 

https://ketsuekigyoko.org/wp-content/uploads/2022/06/b2af8a3aa9cb503f1ac6ab42b966b509.pdf

2 Reutter JC, Sanders KF, Brecher ME, Jones HG, Bandarenko N. Incidence of allergic reactions with fresh frozen plasma or cryo-supernatant plasma in the treatment of thrombotic thrombocytopenic purpura. J Clin Apher. 2001;16(3):134-8

3 Pandey S, Vyas G. Adverse effects of plasma transfusion. Transfusion. 2012;52 Suppl 1:65S-79S.

4 Hughes C, McEwan JR, Longair I, Hughes S, Cohen H, Machin S, et al. Cardiac involvement in acute thrombotic thrombocytopenic purpura: association with troponin T and IgG antibodies to ADAMTS 13. J Thromb Haemost. 2009;7(4):529-36.

以上