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オプジーボ®点滴静注とカボメティクス®錠の併用療法根治切除不能又は転移性の腎細胞がんを対象とした併用療法に係る国内製造販売承認事項一部変更承認の取得について

2021年8月25日

小野薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:相良 暁、以下、小野薬品)と武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長CEO:クリストフ・ウェバー、以下、武田薬品)は、本日、小野薬品のヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体、「オプジーボ®(一般名:ニボルマブ)点滴静注」(以下、オプジーボ)と武田薬品がExelixis, Inc.(以下、Exelixis)から日本における開発提携および独占的販売権を取得しているキナーゼ阻害剤、「カボメティクス®(一般名:カボザンチニブリンゴ酸塩)錠」(以下、カボメティクス)について、根治切除不能又は転移性の腎細胞がんを対象とした両製剤の併用療法に係る国内製造販売承認事項一部変更承認を取得しましたので、お知らせします。

今回の承認は、未治療の進行性又は転移性の腎細胞がん患者を対象にオプジーボとカボメティクスの併用療法と、対象群であるスニチニブ単剤療法を比較評価した多施設国際共同無作為化非盲検第Ⅲ相CheckMate -9ER試験の結果に基づいています。本試験において、オプジーボとカボメティクスの併用療法群は、対象群と比較して、最終解析で主要評価項目である盲検下独立中央判定委員会(BICR)の評価による無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目である全生存期間(OS)およびBICRの評価による奏効率(ORR)のいずれにおいても有意かつ臨床的に意義のある改善を示しました。本試験におけるオプジーボとカボメティクスの併用療法の安全性プロファイルは、各々の単剤投与でこれまでに報告されているものと一貫していました。

CheckMate -9ER試験について
CheckMate -9ER試験は、未治療の進行性又は転移性の腎細胞がんを対象にオプジーボとカボメティクスの併用療法とスニチニブ単剤療法を比較評価した多施設国際共同無作為化非盲検第Ⅲ相試験です。患者は併用療法群(オプジーボ 240 mg、2週間間隔で点滴静注とカボメティクス 40 mg、1日1回、経口投与)と対照群(スニチニブ 50 mg、1日1回、4週間経口投与後2週間休薬するサイクルの継続)に1:1で無作為に割り付けられ、病勢進行もしくは忍容できない毒性が認められるまで投与を継続しました。本試験の主要評価項目は、BICRの評価によるPFSで、副次評価項目は、OSおよびBICRの評価によるORRでした。
なお、小野薬品と武田薬品は、2018年8月より小野薬品の提携パートナーであるブリストル マイヤーズ スクイブ(本社:米国、ニューヨーク)、Exelixisおよび同社の他のパートナーであるIpsen Pharma SAS(本社:フランス)がグローバルで実施している本試験に、日本において参画しています。

腎細胞がんについて
腎がんは、成人の腎実質に発生する悪性腫瘍の総称です。そのうち、腎細胞がんの患者数が最も多く、腎がんのほぼ90%を占めています1。腎がんは、日本では年間約2.5万人2(世界全体で約43.1万人3)が新たに診断され、死亡者数は、日本では年間約8,550人2(世界全体で約17.9万人3)と推定されています。

1: The epidemiology of  renal cell carcinoma. Euro Urol. 2011;60;615-621.

2: Globocan 2020, Japan, World Health Organization. Available at: https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/populations/392-japan-fact-sheets.pdf

3: Globocan 2020, World, World Health Organization. Available at: https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/populations/900-world-fact-sheets.pdf

 

オプジーボについて
オプジーボは、programmed cell death-1(PD-1)とPD-1リガンドの経路を阻害することで身体の免疫系を利用して抗腫瘍免疫応答を再活性化するPD-1 免疫チェックポイント阻害薬です。がんを攻撃するために身体の免疫系を利用するオプジーボは、日本で2014年7月に悪性黒色腫で承認を取得以降、複数のがん腫において重要な治療選択肢となっています。現在、日本、韓国、台湾、中国、米国およびEUを含む65カ国以上で承認されています。
日本では、小野薬品が2014年9月に「根治切除不能な悪性黒色腫」の治療薬として発売しました。その後、2015年12月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」、2016年8月に「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」、2016年12月に「再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫」、2017年3月に「再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌」、2017年9月に「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌」、2018年8月に「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫」、および2020年2月に「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌」と「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な進行・再発の食道癌」の承認を取得しました。
また、尿路上皮がんおよび原発不明がんについて、効能又は効果の追加の承認申請をしており、肝細胞がん、卵巣がん、膀胱がん、前立腺がん、膵がん、胆道がん等を対象とした臨床試験も実施中です。

小野薬品工業株式会社とブリストル マイヤーズ スクイブの提携について
2011年、小野薬品は、ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)と締結した提携契約により、当時、小野薬品がオプジーボに関するすべての権利を保有していた北米以外の地域のうち、日本、韓国、台湾を除く世界各国におけるオプジーボの開発・商業化に関する権利を供与しました。2014年7月、小野薬品とBMSは、この戦略的提携契約をさらに拡張し、日本、韓国、台湾のがん患者さん向けに複数の免疫療法薬を単剤療法および併用療法として共同開発・商業化することを合意しました。

カボメティクスについて
カボメティクスは、米国において進行性腎細胞癌の治療およびソラフェニブ治療後の肝細胞癌の治療の適応で承認されています。また、カボメティクスはEUやその他の国および地域においても承認されています。日本においては、カボメティクス®錠20mg、同60mgの製品名で、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌に対する治療薬として、2020年3月、厚生労働省より製造販売承認を取得し、同年5月に発売されました。また、2020年11月にがん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌に対する治療薬として製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。

武田薬品工業株式会社とExelixis, Inc.の提携について
2017年1月に、武田薬品は、Exelixisと日本におけるカボザンチニブの開発提携および独占的販売権に関する契約を締結しました。
なお、Exelixisは、カボザンチニブの米国における開発および販売の独占的権利を引き続き保有し、同社の他のパートナーであるIpsen Pharma SASは、カボザンチニブの適応に関する米国と日本以外での独占的販売権を保有しています。

<注意事項>
本文書に記載されている医薬品情報は、小野薬品および武田薬品の経営情報の開示を目的とするものであり、それぞれが開発中のものを含むいかなる医薬品の宣伝、広告を目的とするものではありません。

以上