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医療機器プログラム「マイPKフィット®」の2021年度グッドデザイン賞受賞について

2021年10月20日
- デジタルを活用し担当医の治療に関する適切な判断をサポートしたことが評価 
当社は、本日、医療機器プログラム「マイPKフィット®」(一般名称 : ハイリスク薬物動態解析プログラム、以下「マイPKフィット」)が2021年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞したことをお知らせします。血友病領域での受賞は2018年度の血友病A治療薬 アディノベイト®静注用キットに引き続き2度目となります。

従来、血液凝固第VIII因子製剤の薬物動態(PK)のパラメータを算出するために11回程度の採血が必要でしたが2、マイPKフィットは、最低2回の採血で、患者さん一人ひとりのPKに基づいた適切な個別化治療を実現するために開発された、ウェブベースの医療機器プログラム(ソフトウェア)です3,4。患者さんは専用のモバイルアプリを使用することによりマイPKフィットで作成されたPKプロファイルの情報を基に、患者さんが治療中の自身の現在および将来の推定第VIII因子活性値を視覚的にいつでも、どこでも確認することができます。

グッドデザイン賞の審査委員は、「血友病の患者にとって、血液の凝固剤を定期的に補うことが不可欠である。従来、薬剤の薬物動態には個人差があり、投与量や時期、投与回数に幅があり、マニュアルで管理されてきたところを、デジタル化して、測定されたデータをもとに医師が今後の投薬状況を判断できる環境を構築したことは、患者や家族、そして医療従事者にとって信頼性の高いものである。今後も継続的な取り組みに期待したい。」と評しています。

当社のレアディジーズビジネスユニット ヘッドの濱村美砂子は、「グッドデザイン賞を受賞できたことをうれしく思います。マイPKフィットは、患者さんの治療内容の情報共有を、担当医と患者さんの間で簡単に行うことができるようデザインされています。受賞を機に、より多くの患者さんが個別化治療を通じた最適な定期補充療法を実現できるよう尽力してまいります。」と述べています。

日本では5,000人強の血友病A患者さんがいると報告されています5。血友病においては、関節内出血による関節症6や頭蓋内出血による重篤なダメージ7につながることがあることから、1回の出血が患者さんに与える影響が大きいと言われています。近年の血友病治療においては、定期補充療法を実施し、患者さんの出血予防のみならず、血友病ではない方と同程度のQOLを達成すること8も目指した治療が新たなテーマとなっています。このような背景のもと、武田薬品工業株式会社は今後も血友病領域のリーディングカンパニーとして、血友病患者さんの個々のPKに基づいた個別化治療を通じて、最適な定期補充療法の実現をサポートします。

<グッドデザイン賞とは>
公益財団法人日本デザイン振興会の主催で、毎年デザインが優れた物事に贈られる賞であり、1957年創設された日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組みです。工業製品からビジネスモデルやイベント活動など幅広い領域を対象とし、デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくための活動として、国内外の多くの企業やデザイナーが参加しています。


<マイPKフィット®概要>

販売名

マイPKフィット®

一般名称

ハイリスク薬物動態解析プログラム

概要

本品は、血友病A患者の患者情報及び採血データを基に、血液凝固第Ⅷ因子製剤についての患者個人の薬物動態プロファイルを作成し、投与レジメンのシミュレーションを行うプログラムであり、医師が適切な投与量と投与間隔を決定する際に参考として用いる。
本品は、サーバにインストールされているプログラムで、汎用ウェブブラウザを用いてインターネット接続にて利用する。
なお、本品により作成された薬物動態プロファイルの情報は、本品専用の付属機能である患者用モバイルアプリケーション(以下、マイPKフィット®モバイルアプリケーション)に二次元コードを介して提供可能である。マイPKフィット®モバイルアプリケーションは、本品より提供された薬物動態プロファイルの情報及び実際の投与量から血中第Ⅷ因子レベルを計算し、患者自身が治療中の推定血中第Ⅷ因子レベルを視覚的に確認することが可能となる。

 

<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品は、「すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために」という約束を胸に、革新的な医薬品を創出し続ける未来を目指します。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤とワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

 

<注意事項>
本リリースに記載されている医薬品、医療機器の情報は、武田薬品の経営情報の開示を目的とするものであり、それぞれが開発中のものを含むいかなる医薬品、医療機器の宣伝、広告を目的とするものではありません。


  1. 武田薬品工業株式会社に統合されたシャイアー・ジャパン株式会社として受賞
  2. European Medicines Agency. Science Medicines Health. Guideline on the clinical investigation of recombinant and human plasma-derived factor VIII products. http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/Scientific_guideline/2011/08/WC500109692.pdf. Accessed on January 16, 2019
  3. マイPKフィットユーザーマニュアル; 武田薬品工業株式会社 2021
  4. Björkman S. Limited blood sampling for pharmacokinetic dose tailoring of FVIII in the prophylactic treatment of haemophilia A. Haemophilia.2010; 16(4):597-605.
  5. 公益財団法人エイズ予防財団 厚生労働省委託事業 令和元年度血液凝固異常症全国調査
  6. Valentino LA. Blood-induced joint disease: the pathophysiology of hemophilic arthropathy. J Thromb Haemost. 2010;8:1895-902.
  7. Srivastava A, Brewer AK, Mauser-Bunschoten EP, et al. Guidelines for the management of hemophilia. Haemophilia. 2013;19(1):e1-47.
  8. Srivastava A, et al; WFH Guidelines for the Management of Hemophilia panelists and co-authors. Haemophilia 2020;(26 Suppl 6):1-158.

 

以上