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本邦初の短腸症候群治療剤「レベスティブ®」の製造販売承認取得について

2021年6月23日

当社は、このたび、短腸症候群(以下、「SBS」)の治療剤である「レベスティブ皮下注用3.8mg」(一般名:テデュグルチド(遺伝子組換え) 開発コード:TAK-633、以下「レベスティブ」)について、厚生労働省より製造販売承認を取得しましたのでお知らせします。

今回の承認は、海外で行われた複数の試験、ならびに国内で小児および成人を対象として実施された臨床第3相試験(SHP633-302、SHP633-305およびSHP633-306、SHP633-307)などの結果に基づくものです。

SBSは日常生活、および社会生活に支障をきたすまれで重篤な病態であり、腸管不全を伴っているため、健康や成長を維持するには静脈栄養が必要となります。一方で、静脈栄養への依存は患者さんのQOLを低下させ、重篤な合併症に繋がる恐れもあります。レベスティブは、天然型GLP-2よりも長く腸管へ作用する組換えヒトGLP-2アナログであり、国内で初めて承認された小児および成人SBS患者さんにおける腸管吸収機能の改善を促す薬剤です。

<今回承認された効能・効果、用法・用量について>

販売名

レベスティブ皮下注用3.8mg

一般名

テデュグルチド(遺伝子組換え)

効能・効果

短腸症候群

用法・用量

通常、テデュグルチド(遺伝子組換え)として1日1回0.05mg/kgを皮下注射する。

 

当社の日本開発センター所長である廣田直美は、「レベスティブは、まれで生命を脅かす恐れのあるSBS患者さんへの国内で初めての薬物療法です。この新しい治療オプションが、日本のSBS 患者さんやご家族の方の生活の質(QOL)の向上に貢献することを期待しています」と述べています。

また、当社は、患者さんおよびそのご家族がSBSの疾患や治療に関する情報をご理解いただけるよう、これらの情報をわかりやすく紹介するサイトである「SBS Life」を公開しています。情報提供を通じてSBS患者さんの生活をサポートし、本疾患への理解が進む社会づくりを目指していきます。

以上

 

<短腸症候群について>
SBSはまれで重篤な慢性疾患であり、食事から十分な水分や栄養を吸収できず、生命を維持するために静脈栄養が必要となります。SBS の病因は大人と子供で異なります。 乳幼児では壊死性腸炎と先天性異常、成人では腸間膜血管疾患、炎症性腸疾患、および術後合併症が最も一般的な原因です。多くの患者さんでは腸管機能が順応していきますが、中には腸不全を伴うSBS(SBS-IF)として生涯にわたり静脈栄養や静脈内輸液を必要とする患者さんもいます。
静脈栄養や静脈内輸液は生命維持に不可欠である一方、SBSの病態や静脈栄養への依存は、患者さんのQOLを低下させ、カテーテル関連血流感染症、敗血症、血栓症や腸管不全関連肝障害などの重篤な合併症につながり、生命予後が低下する恐れがあります。また、SBS患者さんは、栄養失調、脱水、下痢、疲労、脱力などの多くの症状を抱えながら生活しています。
SBSの有病率および罹患率は多くの国で明らかになっておらず、日本においても同様です。多くの推定値は、SBSのために長期的な在宅静脈栄養を要する患者数のデータに基づいています。

<レベスティブについて>
レベスティブに含まれる成分のテデュグルチドは、天然型GLP-2よりも長く腸管へ作用する組換えヒトGLP-2アナログです。本剤は33個のアミノ酸からなるペプチドで天然型GLP-2と同様の機序を介して作用します。GLP-2と同一の受容体に結合することによって、同程度の効力および選択性 を示します。また、DPP-4により不活化されにくく、天然型より半減期が長いという特徴があります。レベスティブは、日本では、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において医療上の必要性が高いと判断され、開発要請がなされました。また、2014年11月20日付けで、厚生労働省より、予定される効能又は効果を短腸症候群として希少疾病用医薬品に指定されており、短腸症候群の治療剤として本邦において開発が進められてきました。

<レベスティブの薬価収載前の倫理的無償供給について>
当社は、レベスティブが薬価収載されるまでの間、倫理的観点から本剤を無償で提供する倫理的無償供給プログラム(以下、「本プログラム」)を開始します。本プログラムの対象となる患者さんは、現時点では標準治療がなく治療選択肢が極めて限られている「成人及び修正月齢4ヵ月以上の小児」の体重10kg以上の患者さんです。患者さんの緊急の要望にお応えするために、厚生労働省の定める「保険外併用療養費制度」のもと本プログラムを実施いたします。

<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品は、「すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために」という約束を胸に、革新的な医薬品を創出し続ける未来を目指します。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤とワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

<消化器系疾患領域に対する武田薬品の取り組みについて>
消化器系疾患は時として、患者さんの日常生活を困難にさせる場合があります。武田薬品およびパートナー各社はこのアンメット・メディカル・ニーズに対し、25年以上にわたり革新的な医薬品や献身的な支援プログラムを通じて患者さんのQOL改善に取り組んでまいりました。また武田薬品は、炎症性腸疾患、酸関連疾患、消化管運動障害など、アンメット・メディカル・ニーズの高い消化器系疾患領域をリードする企業でもあります。武田薬品の消化器系疾患領域の研究開発チームは、セリアック病や肝疾患の治療法を開発するとともに、腸内細菌由来の治療法を通じた学術的な発展にも取り組んでいます。武田薬品は、これからも革新的な医薬品を通じて、消化器系疾患領域における患者さんの生活の質の向上に貢献してまいります。

<注意事項>
本ニュースリリースに記載されている医薬品情報は、当社の経営情報の開示を目的とするものであり、開発中のものを含むいかなる医薬品の宣伝、広告を目的とするものではありません。