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非活動期又は軽症の活動期クローン病患者における複雑痔瘻治療製品「アロフィセル®注」の日本における発売について

2021年11月30日

当社は、本日、非活動期又は軽症の活動期クローン病患者における複雑痔瘻の治療製品である「アロフィセル®注」 (一般名:ダルバドストロセル、開発コード:Cx601、以下「アロフィセル」)を発売しましたのでお知らせします。

本製品は、国内で実施されたDarvadstrocel-3002試験および、海外で実施されたADMIRE-CD試験等の結果を基に、2021年2月10日に厚生労働省に製造販売承認申請を行い、9月27日に製造販売承認を取得しました。

当社のGIスペシャルティビジネスユニット ヘッドの中村 浩己は、「本日より、クローン病に伴う複雑痔瘻の患者さんに、弊社初の細胞治療であるアロフィセルをお届けできることを心からうれしく思います。本疾患は、医療の進歩した現在もなお治癒が容易でなく、患者さんが困難な日常を余儀なくされる要因の一つです。アロフィセルが新しい治療選択肢となることで、一人でも多くの患者さんが質の高い生活を取り戻されるように貢献してまいります」と述べています。

以上

 

<クローン病に伴う複雑痔瘻について>
クローン病は消化管の慢性炎症性疾患で、国内での疫学的な推定患者数は約70,700人と言われています。1 また、難病情報センターによると、国内でのクローン病医療受給者証交付件数は約44,000件です。2 クローン病の患者さんは複雑痔瘻を発症することが多く、これにより強い痛みや膿瘍感染症、便失禁等を引き起こすことがあります。薬物療法や外科的治療の進歩にもかかわらず、現在もなお治療困難な疾患です。  欧州クローン病・潰瘍性大腸炎協会連合(EFCCA)が当社と共同で実施した調査によると、複雑痔瘻を有するクローン病患者さんは、痔瘻がスポーツや仕事、雇用など、一般的な生活する上で患者さんのQOLに多くの悪影響を及ぼすと報告しています。

<アロフィセルについて>
アロフィセルは、健康成人の脂肪組織から抽出し、培養・増殖させた同種異系間葉系幹細胞(eASC)の懸濁液で、少なくとも1つの既存治療薬による治療を行っても効果が不十分な非活動期又は軽症の活動期のクローン病患者における複雑痔瘻の治療製品です。アロフィセルは、欧州では2009年に欧州委員会(EC)で希少疾病用薬として指定され、2018年3月に非活動期又は軽症の活動期の成人のクローン病患者において、既存治療薬又は生物学的製剤のいずれかの治療を実施したにもかかわらず効果不十分な複雑痔瘻への治療製品として承認を取得しました。
米国では、2017年にFDAより希少疾病用薬として指定され、2019年にクローン病成人患者における複雑痔瘻治療製品として再生医療先端治療(RMAT)指定制度の指定を受けました。
国内では、2019年3月13日付で、厚生労働省より、予定される効能、効果又は性能をクローン病患者における肛門周囲複雑瘻孔として、希少疾病用再生医療等製品に指定され、本邦において開発が進められた結果、2021年9月27日に製造販売承認に至りました。

<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品は、「すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために」という約束を胸に、革新的な医薬品を創出し続ける未来を目指します。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤とワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

<武田薬品の消化器系疾患領域における取り組みについて>
消化器系疾患は時として、患者さんの日常生活を困難にさせる場合があります。武田薬品およびパートナー各社はこのアンメット・メディカル・ニーズに対し、25年以上にわたり革新的な医薬品や献身的な支援プログラムを通じて患者さんのQOL(生活の質)改善に取り組んでまいりました。また武田薬品は、炎症性腸疾患、酸関連疾患、消化管運動障害など、アンメット・メディカル・ニーズの高い消化器系疾患領域をリードする企業でもあります。武田薬品の消化器系疾患領域の研究開発チームは、セリアック病や好酸球性食道炎、肝疾患の治療法を開発するとともに、腸内細菌由来の治療法を通じた学術的な発展にも取り組んでいます。武田薬品は、これからも革新的な医薬品を通じて、消化器系疾患領域における患者さんの生活の質の向上に貢献してまいります。

<注意事項>
本ニュースリリースに記載されている医薬品情報は、当社の経営情報の開示を目的とするものであり、開発中のものを含むいかなる医薬品の宣伝、広告を目的とするものではありません。

以上

 

1 Murakami, Yoshitaka et al. “Estimated prevalence of ulcerative colitis and Crohn's disease in Japan in 2014: an analysis of a nationwide survey.” Journal of gastroenterology vol. 54,12 (2019): 1070-1077.
2 難病情報センター,クローン病, https://www.nanbyou.or.jp/entry/81