当社は、本日、「カボメティクス®錠20㎎、60㎎(以下 「カボメティクス」)」(一般名:カボザンチニブリンゴ酸塩、以下「カボザンチニブ」)を、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌を適応とする治療剤として発売しましたのでお知らせします。
本剤は、血管内皮細胞増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(VEGFR-TKI)による治療後に増悪した、根治切除不能または転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者さんを対象とした海外臨床第3相試験のMETEOR試験、化学療法歴のない、根治切除不能又は転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者さん1を対象とした第2相試験のCABOSUN試験、およびVEGFR-TKIによる治療後に増悪した日本人進行腎細胞癌患者さん35名を対象に有効性と安全性を検討した国内臨床第2相試験であるCabozantinib-2001試験の結果を基に、2019年4月に厚生労働省に製造販売承認申請を行い、本年3月25日に厚生労働省より製造販売承認を取得しました。
当社の日本オンコロジー事業部長の堀井貴史は、「日本における腎細胞癌の発症率は、従来は欧米に比べて低いとされていました。しかし、食生活の欧米化や高齢化、検査機器の発達によって発見の機会が増えたことから、日本でも1980年代以降、その患者さんの数は増加の一途をたどっています。本剤を、日本の腎細胞癌患者さんの新たな治療選択肢としてお届けできることを大変嬉しく思います」と述べています。
カボメティクスは、Exelixis, Inc.が開発した薬剤です。日本においては、2017年1月に当社と開発提携および独占的販売権に関する契約を締結しました。また、2020年1月にがん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌に対する治療薬として製造販売承認申請を行いました。
1 IMDCリスク分類がintermediate/poorリスクの根治切除不能又は転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者さんを対象としています。
<カボメティクスについて>
カボメティクスは米国において進行性腎細胞癌の治療およびソラフェニブ治療後の肝細胞癌の治療の適応で承認されています。また、カボメティクスはEUやその他の国および地域においても承認されています。
<METEOR試験について>
本試験は、血管内皮細胞増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(VEGFR-TKI)による治療後に増悪した、転移を有する進行腎細胞癌患者さん(658例)を対象に、カボザンチニブ60mgとエベロリムス10mgを1日1回連日投与した無作為化比較試験である海外第3相試験です。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は、カボザンチニブ群で7.4ヵ月、エベロリムス群で3.8ヵ月であり、層別因子で調整したハザード比(HR)は0.59〔95%CI:0.46~0.76、P<0.001(層別ログランク検定)〕でした。副次評価項目である全生存期間(OS)中央値、奏効率(ORR)ともに、エベロリムス群と比較して、カボザンチニブ群で統計学的に有意な差が認められました。
<CABOSUN試験について>
本試験は、全身療法の治療歴のない、局所進行性または転移を有する腎細胞癌患者さん(157例)を対象に、カボザンチニブ(79例、1日1回連日60mg投与)とスニチニブ(78例、1日1回50 mg 4週間投与2週間休薬)を投与した無作為化比較第2相試験で、Alliance for Clinical Trials in Oncology2によって実施されました。本試験の主要評価項目は医師判定による無増悪生存期間(PFS)でした。独立画像評価委員会(IRC)によるレトロスペクティブな評価も行われ、PFS中央値はカボザンチニブ群で8.6ヵ月、スニチニブ群で5.3ヵ月であり、ハザード比(HR)は0.48〔95%CI:0.31~0.74、p=0.0008(層別ログランク検定)〕でした。
<Cabozantinib-2001試験について>
本試験は、日本人腎細胞癌患者さんにおけるカボザンチニブの有効性および安全性を評価するために、血管内皮細胞増殖因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(VEGFR-TKI)による治療後に増悪した進行腎細胞癌患者さん(35例)を対象に、本剤60mgを1日1回連日投与した国内第2相試験です。主要評価項目である独立画像評価委員会(IRC)判定に基づく奏効率(ORR)は、20.0%(90%CI:9.8%~34.3%)でした。
2 Alliance for Clinical Trials in Oncology とはNational Cancer Institute (NCI) によって支援されている、悪性疾患を対象とする北米の臨床試験ネットワークです。
<注意事項>
本リリースに記載されている医薬品の情報は、当社の経営情報の開示を目的とするものであり、開発中のものを含むいかなる医薬品の宣伝、広告を目的とするものではありません。
以上