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日本骨髄腫患者の会への「Being Patientプログラム」の実施結果の報告について

2020年12月25日
当社は、このたび、多発性骨髄腫および罹患された患者さんの治療上の困難について理解を深めることを目的に、多発性骨髄腫を疑似体験するアプリケーション「Being Patient プログラム」(以下、「Being Patient」)を導入し、その結果を共有する「日本骨髄腫患者の会」への報告会を行いましたのでお知らせします。当報告会では代表の上甲恭子さんを講師としてお招きし、多発性骨髄腫患者さんが抱えている問題および同患者会が取り組んでいる活動等についてご講演いただきました。「Being Patient」は当社オンコロジービジネスユニット(米国:ボストン)が多発性骨髄腫患者さんの実体験をもとに開発したもので、今回は日本オンコロジー事業部から75名が参加しました。

当報告会では、「診断、治療、再発の過程における精神的な不安の大きさ」、「治療中の副作用として生じる末梢神経障害の日常生活における影響」、「仕事と治療を両立させるうえでの経済的な問題」、「医療従事者とのコミュニケーションにおける課題」等のプログラムの参加者の気づきについて報告するとともに、上甲恭子さんからは多発性骨髄腫患者さんの実態について説明がありました。

日本骨髄腫患者の会代表の上甲恭子さんは、「患者さんの治療経過、症状、悩みは一人ずつ違います。今回のBeing Patientプログラムを通して、患者さんの立場に立ち、患者さんが日常的に直面する困難に対して理解を深める一助となったことを嬉しく思います。患者さんを支えあうメンバーのひとりとして、がんと闘っている患者さんのために一日も早く新しい治療薬を届けていただけることを心から願っています」と、述べています。

当社日本オンコロジー事業部長の堀井貴史は、「私たちは今回、Being Patientプログラムを通して患者さん視点で多発性骨髄腫やその治療の一端を学びました。異なる環境の中でがんと向き合っておられるすべての患者さんのより良い治療のために、製薬企業としてどのような貢献が可能かを追求するとともに、全従業員が患者さんを中心に考えるという価値観を大切に引き続き活動してまいります」と、述べています。

「Being Patient」には、これまで10ヵ国以上で約400名が参加しており、参加者はアプリケーションと専用の付属キットを用いることで、平均10日間かけて、患者さんに生じる身体的・精神的な苦痛を疑似体験します。なお、本アプリケーションの言語は英語であり、米国の医療環境をベースとして構成されています。

当社は、「バリュー」としてタケダイズムを行動指針とするとともに、四つの重要事項である「患者さん中心(Patient)」、「社会との信頼関係構築(Trust)」、「レピュテーションの向上(Reputation)」、「事業の発展(Business)」をその優先順位に従って考えることで、ミッションを追求しています。日本オンコロジー事業部は、多発性骨髄腫患者さんをはじめとするがん疾患で悩んでおられる患者さんに革新性の高い医薬品をお届けし、患者さんのニーズに応えてまいります。

【アプリケーションの画像】

【専用のツールキット】 

  • 末梢神経障害体験用:指サック
  • 末梢神経障害体験用:靴底
  • 倦怠感体験用:ヘビーマグカップ
  • 感染症予防用:消毒液、消毒シート、マスク

以上

 

<多発性骨髄腫について>
多発性骨髄腫は形質細胞のがんであり、骨髄が病巣となります。本疾患では、単クローン性の形質細胞のあるグループが悪性化して増殖します。悪性化した形質細胞には骨を脆くする作用があり、多くの骨に影響を与え、結果として圧迫骨折、溶解性骨病変や関連疼痛に繋がることがあります。また、本疾患は免疫系、腎、赤血球数に影響を与え、倦怠感、貧血等の典型的な症状を伴うことが多く、数多くの重大な健康障害を引き起こす可能性があります。本疾患は、がんの中では稀であり、新規に本疾患を発症する患者数は全世界では年間11万4千人1です。日本における総患者数は約1万8千人2と報告されています。

詳細については、https://www.takeda.co.jp/patients/myeloma/をご覧ください。


<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患・血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)および消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。

詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。   

 

1 2012年 WHO GLOBOCAN, Population Fact Sheet
2 2014年 厚生労働省大臣官房統計情報部 患者調査