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うつ病治療剤「トリンテリックス®錠」の日本における発売について

2019年11月27日
-新規の作用機序をもつ治療剤を日本のうつ病患者さん新たな治療選択肢として提供
-日本の成人大うつ病性障害患者さんを対象とした国内臨床第3相試験においてボルチオキセチン群はうつ症状をプラセボ群に対し統計学的に有意に改善

武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)と ルンドベック・ジャパン株式会社(本社:東京港区、以下「ルンドベック・ジャパン」)は、2019年11月27日「トリンテリックス®錠10㎎、20㎎(以下 トリンテリックス)」(一般名:ボルチオキセチン臭化水素酸塩)をうつ病・うつ状態を適応とする治療剤として発売しましたのでお知らせします。

武田薬品は、ボルチオキセチンが、うつ病の症状をプラセボと比較して統計学的に有意に改善したことを示す国内臨床第3相試験(NCT02389816)などの結果を基に、2018年9月に厚生労働省に製造販売承認申請を行い、2019年9月20日に製造販売承認を取得しました。本剤は、セロトニン再取り込み阻害作用ならびにセロトニン受容体調節作用といった複数の薬理作用を併せもつ国内で承認を取得した初めてかつ唯一の製剤と考えられており、日本のうつ病患者さんに新たな治療選択肢を提供します。

武田薬品 ジャパンファーマビジネスユニット ジェネラルメディスンビジネスユニット ヘッド 大中康博は、「世界84カ国で承認され、実臨床における豊富なエビデンスをもつトリンテリックスを、うつ病で苦しむ日本の患者さんにお届けできることをうれしく思います。トリンテリックスを新しい治療選択肢として提供し、日本のうつ病患者さんに貢献できるよう尽力してまいります」と述べています。

ルンドベック・ジャパン 代表取締役社長 クリストファー・ダールは、「ルンドベック社は70年以上にわたり精神・神経疾患領域のアンメット・メディカル・ニーズを解決するために尽力しています。新規作用機序をもつトリンテリックスを日本の患者さんにお届けすることで、ルンドベック・ジャパンが日本のうつ病で苦しむ患者さんに貢献できることを大変うれしく思います」と述べています。

ルンドベック社は2007年に日本におけるトリンテリックスの共同開発および将来的な共同商業化に関する契約を武田薬品と締結しました。製造販売承認取得後、武田薬品とルンドベック・ジャパンはトリンテリックスのコ・プロモーションを行っています。

以上


<大うつ病性障害について>

大うつ病性障害は、世界で約1億6,000万人が罹患している複雑な精神疾患で、日本では約300万人(人口の約2.5%)が罹患しています*。大うつ病性障害は、臨床的うつ病としても知られており、全世界で主な精神障害の一つとして疾病負担の要因ともなっています。大うつ病性障害は、精神症状に加え、身体症状および認知障害を併発することがあります。その症状には、抑うつ気分、興味または喜びの著しい減退、有意の体重減少または体重増加、食欲の変化、不眠や過眠、精神運動焦燥または制止、疲労感または気力の減退、無価値感や過度の罪責感、思考力や集中力の減退、決断困難、および反復的な自殺念慮が含まれます。

<トリンテリックス®について>
トリンテリックスはセロトニン再取り込み阻害作用ならびにセロトニン受容体調節作用(セロトニン3 受容体、セロトニン7 受容体及びセロトニン1D 受容体のアンタゴニスト作用、セロトニン1B 受容体部分アゴニスト作用、セロトニン1A 受容体アゴニスト作用)を有しており、セロトニンだけでなく、ノルエピネフリン、ドパミン、アセチルコリン、ヒスタミンの遊離を調節するとされています。本剤はこういった複数の薬理作用を併せもつ国内で承認を取得した初めてかつ唯一の化合物であると考えられています。

トリンテリックスは、デンマークのコペンハーゲンにあるルンドベック社の研究者により創製されました。日本では、武田薬品によって臨床試験プログラムが実施されました。

トリンテリックスは、大うつ病性障害成人患者さんの治療剤として2013年9月30日に米国食品医薬品局(FDA)から承認されました。さらに、日本、欧州、カナダ、チリ、中国、メキシコ、アルゼンチン、韓国、トルコ、オーストラリア、香港、シンガポール、および南アフリカ共和国を含む計84カ国で承認されています。トリンテリックスは、米国、カナダ、日本以外ではBrintellix®という製品名で販売されています。

<トリンテリックス®の概要>

製品名

トリンテリックス錠10㎎、トリンテリックス錠20㎎

一般名

ボルチオキセチン臭化水素酸塩

効能・効果

うつ病・うつ状態

用法・用量

通常、成人にはボルチオキセチンとして10㎎ を 1 日 1 回経口投与する。なお、患者の状態により 1 日 20㎎ を超えない範囲で適宜増減するが、増量は 1 週間以上の間隔をあけて行うこと。

薬価

トリンテリックス錠10㎎  168.90円
トリンテリックス錠20㎎  253.40円
臨床上有用な新規作用機序を有することが評価され、有用性加算を取得し、新薬創出・適応外薬解消等促進加算に該当

* 出典 Global Burden of Disease Study 2017 http://ghdx.healthdata.org/gbd-results-tool

              (2019年11月19日アクセス)


<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)および消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

<ルンドベック社について>
ルンドベックは精神・神経疾患に特化したグローバル製薬企業です。 70年以上にわたり精神・神経科学研究の最前線に立ち、精神・神経疾患をもつすべての人々のより良い生活を目指して支援しています。

世界で推定7億人を超える人々が精神・神経疾患を抱えて暮らしています。そしてあまりにも多くの人々が適切な治療を受けていない、偏見にさらされている、勤務日数が減少する、早期退職をせざるをえないなどの状況に苦しんでいます。
私たちルンドベックは日々、精神・神経疾患を患っている人々の治療の向上と、より良い生活のために努力を惜しみません。その取り組みを「Progress in Mind」(プログレス・イン・マインド)と呼んでいます。
Progress in Mindに関する詳しい情報は、 https://lundbeck.com/global/about-us/progress-in-mindをご覧ください。
ルンドベックは、現在50ヵ国以上、約5,500人以上の社員を擁し、研究、開発、製造、マーケティング、販売に従事しています。また、製品は100ヵ国以上で販売されており、研究センターはデンマーク及びカリフォルニア、製造工場はデンマーク、フランス、イタリアにあります。
2018年の収益は181憶デンマーククローネ(約3,019憶円)でした。
ルンドベックに関する詳しい情報は、www.lundbeck.comをご覧ください。
ルンドベック・ジャパンは、2001年に日本法人を設立、2019年にトリンテリックスのコ・プロモーションのため、コマーシャル本部を構築し営業活動を開始いたしました。精神・神経疾患領域に特化した製薬企業として、グローバルで蓄積した豊富な知識と知見をもとに、日本においても患者さんの治療向上とより良い生活に貢献するために取り組んでいます。
ルンドベック・ジャパンに関する詳しい情報は、www.lundbeck.co.jpをご覧ください。

<注意事項>
本文書に記載されている医薬品の情報は、両社の経営情報の開示を目的とするものであり、開発中のものを含むいかなる医薬品の宣伝、広告を目的とするものではありません。