当社は、このたび、日本において、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス®」(一般名: ブレンツキシマブ ベドチン、以下「アドセトリス」)について、「CD30陽性末梢性T細胞リンパ腫」に対する効能効果および用法用量、ならびに小児の「再発または難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫および末梢性T細胞リンパ腫」に対する用法用量に関する製造販売承認事項一部変更承認を取得しましたのでお知らせします。
CD30陽性末梢性T細胞リンパ腫の効能追加承認取得は、主として、臨床第3相試験であるECHELON-2試験の結果に基づくものです。また、小児の再発または難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫および末梢性T細胞リンパ腫の用法用量承認取得は、主として、日本医師会による研究事業支援を受け名古屋医療センター臨床研究センターが中心となって実施した医師主導治験(BV-HLALCL試験 [JMACCT ID: JMA-IIA00229])の結果に基づき評価されたものです。
アドセトリスは、厚生労働省より、2012年3月に「CD30陽性のホジキンリンパ腫および未分化細胞リンパ腫」を対象として希少疾病用医薬品に指定され、2014年4月に日本で発売されています。さらに本年3月4日付で、厚生労働省より「CD30陽性の末梢性T細胞リンパ腫」を対象として希少疾病用医薬品に指定されています。
ECHELON-2試験を担当した、国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科長 伊豆津宏二医師は、「末梢性T細胞リンパ腫はアンメットニーズの高い疾患です。この度のアドセトリスの追加適応により多くの患者さんの治療向上が期待されます。今後、末梢性T細胞リンパ腫の患者さんでは、治療選択のために初発時・再発時に病理診断でのCD30の評価が必要となってきます。また、安全性の観点で添付文書の内容に沿った適正な使用が必要です」と述べています。
医師主導治験(BV-HLALCL試験)を担当した、国立病院機構名古屋医療センター 上席研究員 堀部敬三医師は、「抗体薬物複合体であるアドセトリスは通常の抗がん薬に比べて忍容性が高く、奏効率も高いことから再発難治例の治療およびQOLの向上が期待されます。そのためには、定められた用法用量に従って適切に治療を行うことが重要です」と述べています。
<ECHELON-2 臨床第3相試験について>
本試験は、CD30陽性末梢性T細胞リンパ腫の一次治療としての、アドセトリスを含む新規併用レジメンA+CHP療法(「アドセトリス+シクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾン」)群とCHOP療法(「シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン」)群を比較した無作為化二重盲検比較対照臨床第3相試験です。主要評価項目は、独立評価機関の評価による無増悪生存期間であり、病勢の進行、死亡、ならびに残存腫瘍または病勢の進行のための化学療法の実施をイベントとして定義されています。主要な副次評価項目は、全身性未分化大細胞リンパ腫患者の無増悪生存期間、全生存期間、完全寛解率、安全性などです。本試験は、北米、欧州、アジアから約450名の患者さんが登録され、その70%が全身性未分化大細胞リンパ腫でした。ECHELON-2は、米国食品医薬品局(FDA)の特別臨床試験計画評価および、欧州医薬品庁(EMA)からの科学的助言を受けて実施されています。
本試験では、独立評価機関の評価において、A+CHP療法群は対照群であるCHOP療法群と比較して統計学的に有意な無増悪生存期間の延長が認められました(ハザード比:0.71、p=0.0110)。また、A+CHP療法群は、CHOP療法(ハザード比:0.66、p=0.0244)と比較して重要な副次評価項目である全生存期間においても統計学的に有意な延長が認められました。
<BV-HLALCL試験 [JMACCT ID: JMA-IIA00229])について>
本試験は、再発または難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫および全身性未分化大細胞リンパ腫の小児患者さんを対象として、本剤の安全性および忍容性を検討するとともに、薬物動態および有効性を検討することを目的とした、単群、非対照、非盲検、多施設共同、医師主導第1相試験です。主要評価項目は、用量制限毒性および有害事象で、主要な副次評価項目は、薬物動態、奏効率、完全寛解率、奏効期間および無増悪生存期間などです。本試験は、本邦の医療機関で実施されています。
<アドセトリスの概要>
製品名 |
アドセトリス®点滴静注用50mg |
一般名 |
ブレンツキシマブ ベドチン(遺伝子組換え) |
効能・効果 |
CD30陽性の下記疾患: |
用法・用量 |
〈未治療のCD30陽性のホジキンリンパ腫〉 |
<注意事項>
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以上